第3回プロセス改善特別セミナー 討論メモ

第3回 プロセス改善特別セミナー 「日本発ソフトウェアプロセス改善のすすめ-従来型発想法からの脱却」 討論メモ
日時:2014 年7 月18 日(金) 13:00 – 18:00
会場: 32芝公園ビル B2階 第1ルーム

講演風景

講演風景

事務局の堀田です。 当日は多くのご参加を頂き、また熱心なご討議をありがとうございました。短時間の討議だったので、各グループとも十分推敲してまとめることは難しかったと思いますが、活発な良い議論ができたのではないかと思います。皆様の日頃の御苦労が伝わってくるようでした。当日お約束しましたように、討議メモをフィードバックいたします。 これをきっかけにブログが活用され議論が継続して活発に行われることを願っています。

 

Aグループの議論

討議風景 (1)

討議風景 (1)

(1) コミュニケーションが大事  昨近はメールで連絡を取り合うことが多いが、メールではなかなか浸透しない。 コミュニケーションの取り方として、朝会がある。また、計画のレビュー時に、他とどう違うのかを聞くことにより、ディスカッションのきっかけを作ることができる。また、QAを通じて、違いがあった時に理由を聞くなどにより相手に気付きを与えることができる。

(2) 定着したことをどう測るか?  定着度を測るために遵守度を測ることがあるが、遵守度は必ず上がり、最後は100%になるが、果たしてそれでよかったのだろうか、自分達がやりたいことができているのか、形だけではないか、といった疑問が残る。何か他に測るとよいことがあるのではなかろうか。

(会場コメント:QAの指摘件数の減少の測定と中身の分析をしている。)

(3) ゴールをどれだけ意識するかということが重要

Bグループの議論

(1) プロセスの標準化と伝承  プロセスの標準化をしているが、作った人がどういう経緯でそれを作ったかが伝わっていない。やり方だけしか説明されていない。昔なら先輩がOJTでつたえていたが、それができなくなってきた。「制度」や「やり方」の説明の教育ではなく、経緯、理由(心)を伝える教育が必要であろう。 昔、おばあちゃんが躾や礼儀を教えていたのと似ている。伝承するということが大事。

討議風景 (2)

討議風景 (2)

Cグループの議論

(1) 認証取得、ツール使用など、その目的を伝える  こうすれば設計部門もスタッフもこういうことがうれしいといったような目的や、これによって何が達成できるのかをしっかり伝えることで改善を進めたい。

(2) チーム間の壁 – 相手の立場にたって  開発のチームとEPG、QA、QC等のチーム間で壁がある。自分の(EPGからの)立場からものをいうのではなく、相手の立場にたってまず聞いてあげて、その上で提案していけるとよい。

話の中でマフィアオファーシートという様式の話題があった。予めEPGなりQAの人が改善の内容で自分のシナリオを準備して、相手の立場、考えを確認しながら、提案していく方法があるそうだ。マフィアのオファーなので断れない、絶対聞きなさいというシート。

発表風景

発表風景

Dグループの議論

日本人の特性を活かした改善 日本のよさとして、清潔である、歴史的に情報リテラシーが高い、コミュニケーションが密(単一民族だから?)で暗黙知に頼れるような風土がある。

(1) ゴールが明確になれば、プロセス改善が非常に進むであろう  リテラシーが高いので、チームの目標が理解されれば、あとの動きは速い。

(2) さらに、ESにもっと重点を置くとよい  将来、例えば10年先を見越して、GOOGLEの20%ルールのように社員に余裕があって、発想が生みだせる環境があると日本のよさがさらに出るであろう。

(司会者:現場をみると余裕がない、忙しくてしょうがないという感じ。リテラシーが高いので、ゴールさえ明確にすれば成果があがるという話を聞くと急に勇気が出てくる。)

Eグループの議論

(1) 文化の伝承  うるさい人が減ってきており、文化が伝わっていない。セミナーで先人の知恵を伝えると、そんなすごいことがあったのねと驚かれる。今はどうかというと、愚痴を言いながら、上に従ってそのままやっていることが多いのではないか。 なので、まず、プロセスというのはどうして必要なのかということが理解されていないのではないか。その辺を教育していかなければいけないのではないか。現場のレベルを上げて、プロセスが何のためにあるかを知ってもらって、EPGと現場で目的を共有していく必要があるのではないだろうか。

(司会者:なあなあの人が増えて、元気のあるメンバが減ってきている印象がある。先人の知恵を伝えることが必要、やはり教育が必要。教育をしないと気付いたり、伝わったりしない。)

(2) テーラリングの方法  現場に有効なプロセスを作るためには、EPGは現場をよく知っていなければいけないという話があった。お客によって文化が違うので標準は必ずテーラリングする、その中で、テーラリング基準を作っているかというと、そこは現場にある程度任せていて、基準は作りにくい。EPGも入ってテーラリングをお手伝いする、一緒に考えていくのがよいのではないか。

全体討論

全体討論

Fグループの議論

日本人の良さや強みを捉えた有効なプロセスとは何か 日本人のよさ、強みとして、3つのポイントがあがった。

(a) 控えめ、他人に迷惑をかけない、ゆずりあいの精神がある。

(b) 助け合い、ボランティア精神、チーム力

(c) 単一民族なので、価値観が似ている、逆にいうと村的な精神かもしれないが。

(1) 人材育成を重点化  ある会社では、プロセスの標準化に取り組んでいたが、いろいろなパターンがあるので、難しい面がある。そこで方向性を変えて人材育成に重点を置いている。そのメリットとして、相手に迷惑をかけないというところで、足を引っ張らないように個人のスキルをあげるところで日本人の良さを活かせるのではないか。

(2) チーム力を活かす  別な会社では、組織として、プロセスの改善活動をやっているが、ルール等も整備してきたが、運用が伴っていないところに課題がある。ただ、標準化活動は少し形骸化しているが、最終的な成果物の品質は保たれているところはさすが日本人である。日本人的なチーム力というところは、しっかりした標準がなくても、日本人の良さが活かされているのではないかという気付きがあった。 (プロセスを標準化しなくても日本人は仕事がうまく進められるということ?)

(3) 協調性を活かす  日本人はチームの全体をみながら、個人個人が能動的に動いて、(重複するような無駄なところもあるかもしれないが、)助け合いながら調和をし、うまく進められるところは日本人のよいところである。

(議論:欧米流の標準化/ルール至上主義と日本流の以心伝心、助け合い文化という構図。人の心があれば、ルールは不要と言えるか?? 人心、方法の伝承、プロセスの定着、改善をどう図っていくのがよいのか?? 何を標準化するのかということが大事ではないか??)

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