構成管理と構成品目

本ブログはほとんど投稿がない状態が続いていますが、最近、仕事を通じて、特にAutomotive SPICEに関連して何故か誤解が大変多いことに気がつきましたので、補足したいと思います。構成管理という言葉は、遡れば1950年代まで遡ってしまいますが、昔のことはさておき、 ことAutomotive SPICE に関しては、ソフトウェアの構成管理が起源であり、ソフトウェアCMMが原点だろうと思います。問題は、構成管理と文書管理がほとんど同義であったり、ベースラインというものが、プロジェクトで作成したあらゆる文書のアーカイブだったりすることです。その理解のもとでは、構成品目とは、プロジェクトが作成したすべての文書ということになります。構成管理とはもともと開発する製品(ハードウェアやソフトウェア)の特性の一貫した実装を管理する概念です。そのために何を対象にどんな活動の実施が期待されるかを考える必要があります。この誤解による問題は、本来の構成管理としての目的が達成されないかもしれないということです。今一度、CMMやCMMIをひも解くことをお薦めします。

堀田 勝美 について

ほった かつみ
㈱コンピータジャパン チーフ・コンサルタント
CMMI®/ISO15504/33k・Automotive SPICE® リードアセッサ、トレーナー
(PPA Reg No.0008, intacs Principal JP21-1900-20157-13)
■NTTにて交換機ソフトウェア、ビジネスアプリケーションの開発、支援環境構築、標準化、品質管理等に長年従事。特に後半の多くは標準化の一環として、CMM、ISO 9001、ISO/IEC 15504などのモデルを参考にしたアセスメント、プロセス改善活動の導入に精力を注いだ。また、業務の一部として、ISO9001ソフトウェア分野の認定審査業務に従事した。 2003年よりコンピータジャパンに勤務、2004年~2007年 工学院大学CPDセンター客員教授を兼務、2001年度 情報サービス産業協会 協会表彰受賞(SPI)。 ISO/IEC 33k ソフトウェアプロセスアセスメント 国際標準化委員会 委員。
■主な論文/書籍:
-「ソフトウェアプロセスアセスメント手法の評価」、堀田勝美他、情処研報、Vol.92 No.88-4, 1992
-「分散ソフトウェア開発」(共著、共立出版、1996)、
-「ソフトウェアISO9000」(共著、日科技連出版、1996)、
-「ソフトウェア 品質システム要求事項の解説」(共著、日科技連出版、1998)、
-「共通フレーム98 SLCP-JCF98」(共著、通産資料調査会、1998)、
-「チームソフトウェア開発ガイド~Team Software Processによる開発のすべて~」(監訳、コンピュータ・エージ社、2002)、
-「ソフトウェアプロセス改善と組織学習」(大場 充、堀田 勝美、松瀬 健司著、ソフトウェアリサーチセンタ、2003)、
-「人間重視の品質マネージメント ソフトウェア品質保証システムの構築と実践」(堀田 勝美、関 弘充、宮崎 幸生著、ソフトウェアリサーチセンタ、2008)
カテゴリー: プロセス, 構成管理 パーマリンク

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