プロセス改善 (3/3)改善の効果

プロセス改善 (3/3)

  1. プロセス改善とは
  2. プロセス改善のステップ
  3. プロセス改善の効果

3. プロセス改善の効果

プロセス改善には、プロセスを確立し、維持し、制御していくという基盤を確立していく側面と、パフォーマンスを改善していくという2つの側面があります。 CMMIやISO15504/33kを用いた改善では、ともすると前者に目を奪われがちですが、後者の視点を忘れてはなりません。 すなわち、定性的にも、定量的にも常にパフォーマンスを分析し、問題を除去する姿勢が欠かせませんし、それができる基盤を確立する必要があります。
プロセス改善に成功すると、以下のような改善効果が期待されると言われています。

  1. 生産性の向上
  2. テスト以前により多くの問題点を検出
  3. 市場投入までの時間の短縮
  4. 顧客先での欠陥の減少
  5. 要員の士気の向上
  6. 顧客満足の向上

パフォーマンスに関する改善結果の発表事例は少ないのが現状ですが、SEIは、CMU/SEI-2006-TR-004 'Performance Result of CMMI-based Process Improvement'で、次のような効果を報告しています。 詳細は、当該文献をご参照ください。

分類 効果(中央値) 効果の幅 データ数
品質 48% 2~132% 34
コスト 34% 3~87% 29
生産性 61% 11~329% 20
日程 50% 2~95% 22
顧客満足 14% -4~55% 7
ROI 4.0:1 1.7:1~27.7:1 22

プロセスを維持し、そして改善を継続させることは難しい課題の一つだと思われます。 そのためには、改善を組織の文化として定着させていくことが欠かせません。