対象としているプロセス | ISO/IEC 15504・33kとは (4/5)
- ISO/IEC 15504・33kの歴史
- ISO/IEC 15504・33kの構成と要求事項
- ISO/IEC 15504・33kが定める能力水準
- ISO/IEC 15504・33kアセスメントモデルが対象としているプロセス
- ISO/IEC 15504・33kアセスメント結果の表現
4.1 ISO/IEC 15504が対象としているプロセス
能力成熟度モデル (CMM)は具体的で有用なものであったため、米国内で広まり、さらに北米や欧州、イギリスでもこれを拡張した類似の モデルが開発され、使われ始めました。しかしながらグローバルに取引をする上で、このように多くの評価モデルが存在することは混乱や無駄が生じるので、 これらを統一したモデルを開発する必要性が国際標準化機構 (ISO)に提起されました。これに伴い、成熟度モデルとそれを用いたアセスメント手法をベース にしたソフトウェアプロセスアセスメントの標準化の取り組みが1992年に開始されました。
標準化にあたっては、以下に示す主要な要求事項が設定されました。
ISO15504準拠のアセスメントモデルは、ISO15504の国際標準にその第5部として組み込まれている代表例の他、オートモーティブ、医療、航空宇宙など、 いくつかの分野別のモデルが国際的に検討されています。 日本ではIPAがSPEAKというモデルを検討中です。 ISO15504の第5部に組み込まれているモデルは、 色がついていないことから通称バニラSPICEと呼ばれます。 ここでは、そのバニラSPICEと Automotive SPICE® を取り上げて、どのようなプロセスが対象として取り上げられているかを示します。 プロセス参照モデルとして、バニラSPICEはISO/IEC 12207を採用しており、 Automotive SPICE®もそれを参考に作られています。プロセス参照モデルとアセスメントモデルの関係を下図に示します。
下図はそれぞれのアセスメントモデルで取り上げているプロセスです。 初期のAutomotive SPICE®は、バニラSPICEのサブセットになって いますが、別途独自に5つのプロセスが加えられています。
Automotive SPICE®研究会(Automotive SPICE® SIG、現在はVDA-QMCのWG13に移行)には、AUDI AG, BMW Group, DaimlerChrysler AG, Volkswagen AG Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG, Ford Werke GmbH, Jaguar, Land Rover,Fiat Auto S.p.A and Volvo Car Corporation らが参加していました。
一方、AUDI AG, BMW Group, DaimlerChrysler AG, Volkswagen AG Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG 5社の共同グループであるHIS(HISはドイツ語の Herstellerinitiative Software の略称)は、車載に関する業界標準の検討を進めていますが、その一環として、プロセスアセスメントの枠組みを検討 していました。 そこでは、対象とするプロセスをAutomotive SPICE®のうち、さらに以下の15のプロセスに対象を絞り込んでいます。 現在は、HISは解散し、上記のVDA-QMCのWG13に一元化されています。
4.2 ISO/IEC 15504からISO/IEC 33kへ
最新のISO33000ファミリーでは、プロセス参照モデルとして、ISO/IEC 15288 (システムエンジニアリングプロセス)、ISO/IEC12207 (ソフトウェアエンジニアリングプロセス)、その他のプロセス標準の最新版を位置付けて使用しています。一方、現在のAutomotive SPICE®アセスメントプロセスは、基本的にかつて のバニラSPICEの構造をベースに、Automotive SPICE®独自のプロセス参照モデルを構築しています。そのため、車載システム開発のコミュ二ティー では一定の標準化が為されますが、ドメインを超えるコミュニティー間での標準化には制約が伴います。
5. ISO/IEC 15504・33kアセスメント結果の表現 へ
