ISO/IEC 15504・Automotive SPICEとは (5/5)
5. アセスメント結果の表現
プロセスアセスメントは、事業目標達成に向けた強みと弱みを明らかにし、改善の機会やリスクを特定するための活動です。 そのため、強みや弱みの程度を表す方法が必要になります。 ISO15504では、これに対して、F (Fully)、L (Largely)、P (Partially)、N (Not) という4段階のスケールをプロセス属性の評定に使用することを要求しています。
5.1 評定のスケール
スケール | 説明 | |
F | 充分達成している (Fully achieved) |
診断対象プロセスに,定義している属性に完全で系統的に取り組んでいる証拠があり,属性の充分な達成を示している。この属性と関係する顕著な弱みは,診断したプロセスに存在しない。 |
L | おおむね達成している (Largely achieved) |
診断対象プロセスに,定義している属性に取り組んでいるいくつかの証拠が存在し,属性のおおむねの達成を示している。この属性と関係するいくつかの弱みが,診断したプロセスに存在することがある。 |
P | 部分的に達成している (Partially achieved) |
診断対象プロセスに,定義している属性に取り組んでいるいくつかの証拠が存在し,属性のいくらかを達成している。この属性の達成したいくつかの側面は予測できないことがある。 |
N | 達成していない (Not achieved) |
診断対象プロセスに,定義している属性を達成している証拠がほとんどない,又はまったくない。 |
5.2 能力水準の判定
各プロセスの能力水準は、ISO15504準拠の手法では以下の表に基づいて判定されなければなりません。

5.3 プロセスプロファイルの例
アセスメントの結果は、対象とした各プロセスのプロセス属性に対して、F、L、P、Nの評定値を示した一覧として示される必要があります。これをプロセスプロファイルと呼びます。必ずしも図表で示される必要はありませんが、下の図はその一例です。

(参考)
プロセスアセスメントモデル、アセスメント、プロセス改善の関係
【動向】
「新アセスメント規格ISO 33Kシリーズの概要」